5.05.2016

【透析災害対策マニュアル】第 3章 災害時の心得

【透析災害対策マニュアル】

第 3章 災害時の心得


1.透析中に災害が起きた時の心得


 災害が発生した場合、状況により透析回路からの離脱を患者さん自身で行っていた
だく場合があります。避難するか透析を続けるかスタッフが指示を出しますのでその
場で待機し、スタッフの指示に従い落ち着いて対応しましょう。

災害が起きたとき

1)地震が起きた場合


 透析室内にいるスタッフが歩くことができるようであれば、震度3以下の地震と考えられます。揺れが激しく、スタッフが歩いたり立っていることができないようであれば、震度4以上の地震であると考えられるでしょう。

 都区部の透析施設は比較的新しく耐久性もあり、地震そのもので崩壊するとは考えにくいといわれています。大きな揺れも十数秒で必ずおさまります。慌てずに、施設スタッフの指示に従って行動してください。

・穿刺針が抜けないように血液回路をしっかり握り、ベッド柵につかまって、振り落とされないよ
うにしましょう。

・布団や毛布等をかぶって蛍光灯などの落下物を防ぎましょう。

2)火災が起きた場合


・スタッフが出火場所の確認や初期消火活動を行います。煙を吸わないようにタオル等で口元を覆いましょう。

3)停電が起きた場合


・冷暖房が止まりますので、掛け布団などで体温を調節しましょう。

・場合によっては、血液が固まらないよう患者さん自身に手回しハンドルで血液ポンプを回してもらう場合があります。

・夜間帯は真っ暗になる可能性がありますが、慌てずスタッフの指示を待ちましょう。


避難するとき

・透析中止および避難の必要性がある場合、回路からの離脱を行います。基本的には返血後に回路からの離脱を行いますが、緊急で避難する場合は血液を残したまま離脱することもあります。施設に緊急離脱セットが用意されている場合には、一度中身を確認し使用方法を知っておきましょう。

・非常時は、動いていたエレベーターが途中で止まる危険性がありますので絶対に使用は止めましょう。

・いざという時にあわてないように、日頃から施設の非常口を確認しておきましょう。

・必ず履物(できれば靴のほうが良い)を履き移動しましょう。地震の場合はガラスなどが飛散していることが考えられ、怪我をする危険があります。

・火災の場合はできるだけ身をかがめ、煙を吸わないようにタオルなどで口と鼻を覆いましょう。

・スタッフの誘導に従って、避難場所に避難しましょう。勝手な行動をとるとスタッフが心配して探すことがありますので、必ず指示された避難場所へ集合して安否の確認をしましょう。

避難したあと

・避難所では、穿刺部の消毒や傷の手当を受けましょう。

・被災状況から次回透析予定など今後の対応の指示が出るかもしれませんので、帰宅の指示が出るまで待機しましょう。

・帰宅するときは、帰路の安全や移動手段の確認をしましょう。

・家族との連絡方法、待機場所などを事前に決めておきましょう(「第 2章平常時の心得」を参照してください)。


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